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2013/04/20 (Sat) お久しぶりのご挨拶

またしてもマクロス30ネタです。
今度のはちょっと、ご存知でない方には分かりにくいかも・・・
TV版でミハが死んだ!と思ってる姫が(別世界から来たっぽい)生きてるミハを見ちゃったら、そりゃ動揺するよね恋する乙女のように心打ち震えるよね!きっとその後もしばらくは平然と対応したり出来ないよね乙女モード発動しちゃってるもんね!
という、そんな思い込みから来た小話です。

なんでも来い!という方は続きからどうぞ。
ちなみにミハアルどちらも無自覚(ミハは薄々自覚)という前提です。

※前提として※
マクロス30は歴代マクロスシリーズのキャラが一堂に会する物語です。
姫やシェリル、ランカはもちろん、初代マクロスや7、プラス、ゼロのキャラクターたちが入り乱れて登場します。また作中では(ミハが死んだと思っているところから)TV版の世界から来たと思われる姫が、(映画版なのかそれともTV版20話以前の世界から来たのか?)生きているミハを見て非常に動揺する、というシーンがあります。もちろんミハはその事実(自分が死んだ世界があるということ)を知りません・・・多分。
小説版しか知らないのでもしかしたらゲームとは違ってるかもですが、そういう体でお読み下さい。
ではでは、前置きが長くなりましたが以下からどうぞー!






死んだはずのミシェルが生きていた。
とはいっても、別に生き返ったわけではないことくらい、私にだって分かっている。
ここは不思議な場所なのだ。
本来出会うはずのない時代の、全く異なる世界の人たちと出会える場所。
私より若いミレーヌ・ジーナスや、それより若いお婆ちゃん(!)が、私と共に存在している不思議な世界。
だからきっと、このミシェルも別の世界からやって来たのだろう。
そこがどんな世界かは知らないけれど、多分、私の知る世界と・・・私の知るミハエル・ブランと、そう違いはないはずだ。
だってこのミシェルは、やっぱり私の知るミシェルと変わらないのだから。
私の知っているミシェルと同じ明るい金髪、鮮やかな碧の眼をして、その口から飛び出すのはやっぱりアルトのことばかり。
今だって、やけに真剣な顔をして。

「なあシェリル、そっちの世界の俺は、姫とひどい喧嘩でもしたのか?」
「はあ?何言ってんのよ、ミシェル」

唐突すぎる問いに思わず聞きかえせば、金髪の色男は存外真面目な顔だった。
そうは言っても、私は軽い男に興味はないんだけれど・・・まあ、今となってはミシェルが「軽い」なんてものじゃないことは、私にもよく分かっている。
本当に、ことアルトに限っては全てが例外なのだ、この男は。

「いや、姫が・・・アルトが、まともに俺を見てくれないんだよ。目をあわせようとしても、すぐにそらすし」
「ああ・・・フウン、なるほどね」
「教えてくれよ、シェリル。そっちの世界で俺が何をしたにしろ、それは今の俺ではないんだし・・・つか何で姫が怒ってんのか、知らなきゃ謝りもできないだろ」

ミシェルの言い分に、私は思わず頷いた。
なるほど、ミシェルが気にしていたのはそういうことか。
だけどさすがにその理由を口に出すのははばかられて、私は珍しく口ごもった。
アルトの気持ちは分かるけれど、それを私が言うのもなんだか違う気がするし。

「・・・別に、アルトは怒ってるわけじゃないと思うわよ。だから別に謝る必要もないんじゃないの」
「怒ってない、って?んなわけあるか、露骨に俺を避けてるんだぜ」
「だからって、怒ってるとは限らないでしょ。きっともっと違うものよ、あいつのは」
「違うもの、って・・・何だよ、それ?」
「さあね、そこまでは私も知りやしないわ。私もそんなに暇じゃないのよ」

シェリル・ノームは忙しいのよと付け加えれば、ミシェルは諦めたようにため息をついた。

「なんなんだよ、もう・・・シェリルも姫も、何を隠してるんだ」
「それこそ『今の』あんたには関わりないことよ、ミシェル。私たちとあんたとは、きっと違う世界から来たんだもの。そうでしょ?」

だからねと、私は続けて口を開いた。
本当は私だって、ミシェルの顔を見ると何とも言えない気持ちになるのだ。
でもきっと、アルトのそれは私の倍なんてものじゃないんだろう。
私にだってそれくらいのことは分かるのだ、分かりやすい男どもめ。

「だからあんたは何も気にしないで、いつもの通りにアルトに絡めばいいのよ。私の知ってるミシェルはいつだってどこでだって、おかまいなしにアルトにまとわりついてたわよ」

言い捨てて、私はさっさと歩き出した。
これ以上食い下がられるのはごめんだったのだ。
・・・だって、ねえ。

「私だって、馬に蹴られたくはないものね」

アルトに習った東洋の故事は、ミシェルには通じないようだ。
そのきょとんと間抜けな横顔に、私は思わず笑ってしまった。


*****


シェリルと別れ、ミハエルはとぼとぼと艦内を歩いていた。
形のよい金髪の頭の中は、先程からシェリルとの会話を反芻してばかりだ。

(結局、何も分からなかったな。女王さまは案外口が固いらしい)

何もないと突っぱねたシェリルの顔を思いだし、ミハエルは軽いため息をつく。
鮮やかな紫水晶の瞳は、誰の反論も受け付けない強気な眼差しだった。
ああなったシェリルが人の話を聞かないことくらい、ミハエルはよく知っている。
伊達にアルトともども下僕扱いをされていたわけではないのだ。
しかし、シェリルが嘘をつくタイプではないのもミハエルは知っているのであって。

(・・・アルトは怒ってるんじゃない、って言ってたな。それが本当なんだとしたら、アルトのあの態度はなんなんだ。どういうことなんだよ)

目が合えば、そらす。
話しかけようとすれば、逃げ出す。
一度や二度ではないそれは、アルトがミハエルを避けていると思うのに十分すぎる証拠だ。
ミハエルがこの世界にやって来たばかりの時の戦闘、こちらのアルトと初めて出会った時の・・・わけも分からずに戦った、あの時にはあれほど分かりあった気がしたというのに、落ち着いてみたらこの有り様だ。
明らかにおかしなアルトの態度が、ミハエルはひどく腑に落ちない。
・・・というより、気に入らない。

(姫め、俺から逃げようなんて百年早いぞ)

あの綺麗な顔をまっすぐに拝めない、あの琥珀の瞳が自分を見ないなんて、そんな理不尽なことがあってたまるか。
アルトを怒らせたのではないか、嫌われたのではないかとさんざん思い悩んだ挙げ句、シェリルにまで相談までしたのにあまりにあっさりとあしらわれ、ミハエルは少々憤っていた。

(なんだって俺を見ないんだ、何を拗ねてるんだよ。ったく、気に入らないことがあるなら直接はっきり言えってんだ)

ずんずんとカーゴシップの通路を歩いていたちょうどその時、ミハエルの視線の先に、ひょいとほそい人影が現れた。
SMSのジャケットを着ているにも関わらず線の細さが分かる、パイロットには珍しい長い髪の持ち主は、紛れもなく。

「・・・・・・あ、姫」

細く狭い廊下の突き当たり、ミハエルの視線の先に現れたのは、まさしく思い描いていたその人だ。
偶然に向かい合い、ミハエルは反射的に笑みを浮かべる。
しかしながら麗しのお姫様は、ミハエルを見るなり眉をしかめた。
どころかくるりと踵を返し、反対方向に歩き出そうとする始末だ。
あまりに露骨なその反応に、さすがのミハエルも思わずむっとしてしまう。

「おい待てよ、姫!」

『アルトは怒っているわけじゃない』と言ったシェリルの言葉など、まるでどこかに飛んでしまった。
ミハエルの目に映るのは、今はただこちらに背を向けたアルトだけ。
アルトが身を翻す一瞬に見せた強張った横顔、その表情の意味を知るはずもなく、ミハエルはその場を駆け出した。
苛立ちとともに駆け出せば、たいした距離もない通路では、たった数歩でアルトに追い付く。
その薄い肩に手をかけて、ミハエルはアルトにここ最近の態度の理由を聞こうとしたのだったが。

「・・・んだよ、ミシェル」

離せよと、アルトの態度はやはりつれない。
だが今のミハエルには、それは大した問題ではなかった。
アルトを詰るどころか、そもそも聞こうと思っていたこと・・・どうして最近自分を避けるのか、元の世界で何があったのか・・・さえ言葉に出ないほど、ミハエルは動転していた。
アルトの肩をつかんで振り向かせた、そんな不自然な体勢のまま、凍りついたようにその場に固まって。

「・・・ひ・・・姫・・・?」
「んだよ、離せよ、ミシェル。イテェんだよ、お前の馬鹿力」

振り向いたアルトの、その表情。
それを間近で見た途端、ミハエルの頭は真っ白になってしまって。


*****


「おいシェリル、・・・少し、聞きたいことがあるんだが」

妙に真剣な顔のアルトに呼び止められて、私はなんだか少しだけおかしな気分だった。
何故だろう、こんなことがごく最近にもあった気がする。
これがいわゆるデジャブというやつかしらと思いながら、私はくるりと向き直った。

「何よ、改まって。もったいぶらずに言ってみなさいよ」
「あ、ああ・・・その、ミシェルのことなんだが」

やっぱりミシェルの話かと、私は内心派手なため息をついた。
この空馬鹿がこんなシリアスな顔をするのは、こと舞台か実家絡み、あとはミシェルのことくらいだ。
呆れつつも、実際にため息をつかなかった分だけ褒めてほしい。
無神経だ傍若無人だと言われる私だって、全く気を回さないわけではないのだ。
一度は消えてしまったはずの相棒、親しい友人がけろりとした顔で現れて、動揺しない人間などいないだろう。
この不思議な世界でのミシェルとの思いがけない再会には、私もランカちゃんもひどく驚きつつも喜んだものだ。
だけど私たちのそれよりも、アルトの気持ちははるかに複雑なんだろう。
友人として相棒として、男同士の彼らの結び付きは生半可なものではないのだと・・・もしかしたら、それ以上の感情があの2人に芽生えつつあるのかもしれないことも・・・私にだって、それくらいのことは分かっているのだから。

「ミシェルがどうしたっていうの?こっちで会って以来元気そうじゃない、あいつ」
「・・・ああ、それは確かに。だけどあいつ、最近態度が変なんだ」
「変?変って、どんな風によ?」

会話の流れに、私はますます強いデジャブを感じる。
そんな違和感を覚えつつ、私はそれでもアルトを促した・・・の、だけれども。

「・・・目を、そらすんだ」
「・・・・・・ハア?」

思わず間抜けた声をあげた私の前で、アルトは恥ずかしそうにうつむいた。
パイロットというにはずいぶん華奢な肩をすくめ、居心地悪そうに小さくなって。

「最近、なんだか避けられてるような気がするんだ。ミシェルのやつ、ろくに目もあわせようとしないし」

言いながら、アルトの顔はみるみる真っ赤だ。
男にしては白い顔、大した手入れもしないくせに憎らしいくらいトラブルの一つもない滑らかな頬がほんのりと朱に染まって、アルトをますます性別不明に見せるよう。
ミシェルが、あいつがとその形のよい唇が呟くたびに、頬に影を落とす長い睫毛が切なく震えて。
頼りなげなその様は、見ているこっちがたまらない。
アルトだというのに、まがりなりにも性別『男』の、おまけにSMSのパイロットなのだと分かっているはずなのに・・・どうしてだろう、目の当たりにするこの姿は、私よりずっとか弱く可憐な乙女のようだ。

「ねえアルト、もしかして、最近ミシェルの前でもそんなかんじ?二人きりで、そんな顔を見せたことがある?」
「か、顔?どんな顔だよ、俺、そんなに変な顔か?やっぱりそれが原因か?」
「なによ、『やっぱり』ってことは心当たりがあるのね?」
「そ、それは・・・その・・・」

口ごもったアルトは、ますます恥ずかしそうな顔だ。
せわしなく瞬きを繰り返す睫毛の奥の琥珀の瞳は、羞恥のせいか、段々潤んでいくようにさえ見える。

「この前、ミシェルに呼び止められて・・・あの頃は俺もまだ落ち着かなくて、俺の方があいつの顔を見れなかったんだよ。それが久しぶりに顔を見て喋ったら、緊張したというか、動揺したというか・・・」
「で、今みたいな顔になったってわけ?ミシェルの目の前で?」
「・・・もっとひどい顔だったと思う。声も出なかったし、耳まで熱かったし・・・ち、ちょっと泣きそうだったし・・・たぶん、よっぽどひどい顔を・・・」

言いながら、アルトはますます泣きそうな顔になった。
大の男の涙目なんて・・・という言葉は、アルトにだけは当てはまらない。
アルトのそれは、情けないどころか、妙に胸騒ぐときめきを見る者に与えるものなのだ。
よしよしと、その頭を撫でて慰めてやりたくもある。
だけどその一方で、いっそもっと泣かせてみたくもある。
泣き顔まで綺麗だなんて、本当に男にしておくにはもったいない。
この綺麗な顔が身も世もなく泣き崩れる様は、きっともっと綺麗なんだろう。
それを見てみたいと思うのは、きっと自然な感情だ。
この私がそう思うのだから、ミシェルだって・・・あの男だって、まず間違いなくそう思っただろう。
もしかしなくても、ミシェルのことだ、もっと濃いことを考えたかもしれない。

(泣かせたい、じゃなくって、啼かせたい・・・とか)
(それも出来るならベッドの上で、自分の下で・・・とか)
(すがりついて、すすり泣いて、そんなアルトを抱きしめたいだとか)

いやもうそれどころじゃなく、もっとずっと際どいことだって考えたかもしれない。
というより、絶対考えたはずだ、あの男は。
なんたってアルトに限っては本当に読みやすく分かりやすい男が、あのミハエル・ブランなのだから。

「・・・別に、そんな大した顔じゃないわよ。ほっときゃそのうち元に戻るでしょ、ミシェルのことだし」
「な、なんでそんなことが言えるんだ?やっぱり俺があの時妙な顔したもんだから、ミシェルは・・・」
「そうね、それが原因といえば原因だわ。これは忠告だけど、やたらにそんな顔しない方がいいわよ。じゃないと、ミシェルだけじゃなくって有象無象まで引っかかりかねないわ。そしたらあの眼鏡はもっとエスカレートしそうだし、そうなったらこっちまで飛び火しかねないもの。妙な面倒は御免よ、御免」
「う、有象無象?飛び火?なんだそれ、いったい、何の話をしてるんだ・・・?」

涙目のままきょとんと首を傾げる早乙女アルトは、いっそ凶器みたいな愛らしさだ。
ムラムラとやり場のない感情を持て余し(もしかしたら、これが『萌え』というやつか)、私は思わず言ってしまった。

「ああもう、めんどくさい。あんたいっそ、ミシェルに捕まった方が身のためかもよ」

だけどやっぱり深読み出来ないお姫様は、きょときょとと綺麗な顔で瞬くばかりなのだった。


***そしてそれから***


「聞いてくれ、シェリル!やっぱり駄目だ、姫の顔を直視できない!あの時の顔が目に焼きついて、つい変な妄想しちまうっつーか・・・もっといっぱい泣かせたいとかでもそれは俺の腕の中でとか、ぼろぼろ流れる雫を舐めてやりたいっつかむしろあの頬を舐めたいっつうか舐めたいところはそれだけじゃないんだけどとか、でもそしたら姫は絶対嫌がるんだろうけど意地張って嫌がる姫もまたイイとか、姫を汚していいのは俺だけだとかむしろ俺でいっぱい汚してやりたいだとか・・・ああ、言えない!こんなこと、姫には絶対言えるわけがない!」

「なあシェリル、やっぱりミシェルが変なんだ。俺の顔を見たと思ったら真っ赤になって、すぐ目をそらすくせに遠くからチラチラ眺めてくるんだよ。変だよな、これ変だよな?」

「うるっさいわね、このバカップル!あんたらの痴話喧嘩に私を巻き込まないで、シェリル・ノームは暇じゃないんだったらー!」

そんなやり取りがすっかり定着し、ウロボロスは今日も愉快に平和なのだった。


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