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2013/02/20 (Wed) オトナノタシナミ

毎日ハンドクリームを使います。
毎日毎日、嫌っていうほど使います。
というわけで、こんな話が出来ました。
続きからどうぞ。

ハンドクリームネタにしたいがために手荒れミハにしてみましたが、実際はミハは手がおっきくてきれいだといいなぁ・・・と思います。
ちなみに姫を手荒れにする発想はなかったです。
だって姫の手は白魚のような手に決まっていますから(真顔)




ある日、ルカはSMS本社ビルを訪れていた。
バジュラとの戦いが終結してから、SMSはのどかなものだ。
今もビル内に漂うのは、緊迫感とは無縁の平和ボケじみた呑気な空気だ。
もっとも、ルカは決してそれが嫌なわけではない。
当然だ、誰だって戦争より平和がいいに決まっている。
そしてそれは、対人関係においても同じこと。
険悪な空気より、和やかな方がいい。
仲が悪いよりいい方が好ましいのは、言うまでもない。
それはもちろん、そうなのだが。


**********


「・・・いくらそうは言ったって、ものには限度と節度ってものがあると思います」
「なんだルカ、久しぶりじゃないか」

しばらくぶりにSMS本社を訪ねたルカは、真っ直ぐに技術開発室を目指していた。
だから、それを目にしたのは全くの偶然だ。
同小隊メンバーであるスナイパー、かのミハエル・ブランが事務方の女性職員の手を撫でさすっているところなど、誰が好んで見たいものか。
ルカは隠すつもりもない軽蔑の眼差しでミハエルを見上げ、かわいらしい童顔をはっきりとしかめてみせた。

「久しぶりじゃないですよ、何なんですか、ミシェル先輩。アルト先輩というものがありながら」
「はあ?何言ってんだ、お前?」
「誤魔化そうったって、そうはいきませんよ。全く、すっかり女好きの病気は治ったと思っていたのに・・・ああ、かわいそうなアルト先輩。でもアルト先輩なら、きっと他にいくらでもお似合いの人が」
「おいおいおい、だから何の話をしてるんだよ、ルカ」

露骨すぎる当てこすりに、ミハエルはひたすら呆気にとられる。
憎らしいくらいの男前の碧眼がぱちぱちと瞬くのを、ルカはじろりと睨みつけた。

「あれだけ女性といちゃついておいて、しらを切るつもりですか?まああの程度のこと、先輩にとっては日常茶飯事なのかもしれませんけど」

言いながら、ルカは先ほど見た光景を思い出していた。
ミハエルは事務方の女性隊員の手を取って、甘い言葉を囁いていたのだ。
すべすべだとか、いい匂いだとか。
あれが口説き文句以外の何というのだろう?
あの派手な遊び人が、アルトと出会ってからはすっかり落ち着いたものだと、ルカは呆れながらも感心していたというのに。

「不義です、不貞です、不道徳です。僕、アルト先輩に言っちゃいますよ」
「おいこら、お前は何を勘違いしてるんだっての。人の話を聞けよな、ほら」

むくれた顔の後輩に、ミハエルは察するところがあったのだろう。
上着のポケットにおもむろに手を突っ込むと、そこから取り出した何ものかをルカの目の前に突き出した。
手のひらサイズのそれ、チューブ状の小さなその物体に、ルカは思わず瞳を見開く。
きょとんと一瞬空いた間に、ミハエルはにやりと微笑んだ。

「ハンドクリーム。さっきの彼女に貰ったんだ」

ミハエルが言うには、珍しく総務課事務所を通りかかったところに、ハンドクリームを塗っている女性隊員と目があったのだという。
その瞬間、ミハエルはふと自分の荒れた指先が気になって、思わず話しかけたらしい。
(臆面もなく話しかけるあたりはいかにもミハエルらしいとルカは思ったが、さすがにそこまでは言及しないことにした)
手を撫でて見えたというのは単に彼女の手からクリームを試させてもらっただけ。
いい匂いだとやすべすべだとか、臭い口説き文句まがいの言葉もハンドクリームへの純粋な感想以外の何ものでもないのだという。
言われてみればミハエルの手は確かにクリームを塗りたてでしっとりとして、ほのかな香りを放っている。
おまけにストックがあるからと譲られたというハンドクリーム実物まで目の前にしては、さすがのルカもその弁明を認めざるをえない。
少しばかり話しただけでしっかりと女性の好意を引き出したらしい手際には(そうでなくては、いくらストックがあるといっても手持ちのクリームを差し出そうとはしないだろう)この際目を瞑るとしても、それでもなおルカには多少の違和感があった。
首をひねりつつ、ルカはそれを口に出して尋ねてみる。

「事情は分かりましたけど、なんだか珍しいですね。ミシェル先輩、ハンドクリームなんて使ってましたっけ」
「いいや、全然。だけどここ何日かメカニック連中と一緒に機体をいじってたら、急に手が荒れてきたからな。皮は剥けるしガサガサだし、服なんかにも引っかかるし」
「へえ。そんなに指先が気になるものですか」

それはやっぱりスナイパーとして、指先の感覚が重要だからなのだろうか。
基本的に生真面目なルカはそう想像し、思わず感心しかけたのだったが。

「当然だ、お姫様の柔肌を傷つけるわけにはいかないだろう。銀河の損失だぜ」

にやけきった顔で、ミハエルはそんなことを言う。
でれでれと、せっかくの色男ぶりが残念な顔のまま、さらに後を続けたことには。

「特に、ベッドの中では・・・な」

いかにも楽しげなミハエルに、ルカはつまらない質問をしたことをひどく後悔するのだった。


**********


そしてその夜、2人の愛の巣では。

「何つけてるんだ、お前。それ、ハンドクリーム?」
「そう、今日事務の子に貰ったんだ。最近手が荒れて困ってるって言ったから」
「困ってる、って・・・まさかお前、外で妙なこと喋ってないだろうな」

じろりと睨むアルトに対し、ミハエルはにこりと笑ってみせた。

「妙なことって?俺の手が荒れたせいで、夕べは姫を引っ掻いちまったこととか?特に脇とか腰とか太股とかその奥とか、柔らかいとこを触るといつも以上に反応してくれちゃって、そういう意味では美味しかったこととか?でもやっぱり姫を触るのに俺の手が荒れてちゃ気を使うっていうか、万が一にも姫の大事なとこを傷つけたくないし・・・でも案外ちょっとくらいチクチクするのも姫はイイらしいとか、いっぱい気持ちよくなってくれて俺もすげえヨかったとか、このまま新しいプレイに目覚めそうとか、そういうこと?」
「ばばば馬鹿野郎っ、まさかんなこと余所で喋って!?」
「喋るわけないだろ、こんなこと。姫の秘密は、俺だけ知ってればいいの」

囁いて、ミハエルは焦るアルトをつかまえた。
そしてそのまま、細い体をぎゅっと抱き締める。

「お姫様の柔肌に、荒れた手で触るわけにはいかないからな。早く治して、思いっきり触ってやるよ」
「・・・よく言うぜ。ならお前が今触ってるのは何なんだ」
「いいじゃないか、今日のところはハンドクリームのおかげで治ったってことで」
「ったく、調子のいい・・・」

口先では文句を言いながら、しかしアルトは逃げようとはしない。
まだ硬いミハエルの指が背を撫でるたびに、ひくんと体を震わせて。

「・・・仕方がないから、そういうことにしておいてやる」

遠まわしなOKに、ミハエルは喜び勇んでアルトを抱きかかえる。
そして直行したベッドルームでは、心ゆくまでお姫様の柔肌を撫で回して堪能するのだった。


**********


以来、SMSではハンドケアに気を使うミハエルの姿が見られるようになった。
オズマなどは、「男のくせに、何を女みたいなことを」と呆れ顔でそれを眺めているのだったが。

「ふっふ、何とでも言って下さい。これは俺なりのマナーでありモットーであり、男のたしなみというか何というか」
「な、なんだ?ミシェルの奴、何を言ってやがる?ルカ、お前は分かるのか?」
「あー・・・きっと分からない方が隊長のためだと思いますけど・・・」

うきうきと指先を眺めるミハエルに、呆れ顔のオズマと疲れきった顔のルカ。
そんな男たちに声をかけるのは、一人我関せずを貫くカナリアだ。

「おいお前たち、そろそろ定期巡回の時間じゃないのか?」

こうしてスカル小隊は、今日も平和なのだった。

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