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2013/01/24 (Thu) こちらフロンティアTVアナウンス室 ver.2

通販のお申込み、締め切りは明日までとさせていただいております。
ご希望の方はよろしくお願いいたします。

というわけで、頭の悪いパラレル話、バージョン違いです。
こっちは姫がアナウンサー、ミハがカメラマンということでお願いします。
実は先に思いついたのはこっちなのでした。




「なあ姫、いい加減に機嫌治せって」

さっきから、もう何度もこの言葉を繰り返している。
だというのに、ミハエルの顔は緩みっぱなしだ。
どれほど拗ねてみせたって、可愛い恋人はやっぱり可愛い。
おまけにその恋人が拗ねた原因を思えば、笑うなというほうが難しい問題で。

「いいじゃないか、もっと喜べよ。ランキング2位なんて、すごいことだぜ」

言いながら、ミハエルは声が震えそうなのを必死にこらえた。
吹き出したいのを我慢して、頬はぎこちなくこわばっている。
だがそれも仕方がない。
全く、この事態には笑い出したくもなるというものなのだ。
なにしろ、アルトが見事2位に入ったランキングというのは。

「・・・『人気女子アナランキング』なんて、そうそう入れるものじゃないぞ。喜べってば、姫」
「誰が喜ぶかっ、馬鹿野郎!皆して人をバカにしやがって!」

そう、アルトが憤慨しているのは、他でもない。
たまたま見ていた情報番組で面白おかしく発表された『人気女子アナランキング』に、何故かアルトの名が入っていたことなのだった。
土曜日の夜、久しぶりの休日にご満悦だったアルトの機嫌がみるみるうちに急降下していく様を、ミハエルは密かな笑いとともに眺めていた。

「まあまあ、そう怒るなよ。それとももしかして、シェリルに負けたのが悔しかったのか?僅差で負けたもんな、惜しかったよなあ」
「ば、馬鹿言うな!だいたい、こうなったのは誰のせいだ!」
「あれ、俺のせい?俺はただ、姫の美しさを世間に知らしめたかっただけなんだけど」

琥珀の瞳に睨まれて、ミハエルはひょいと肩をすくめる。
おお怖い、とおどけてみせるミハエルだが、内心はやはり笑っていた。
それはそうだ。
アルトが言う通り、こんな事態になった原因・・・アルトが『女子アナランキング』なんてものにうっかり紛れ込むきっかけを作ったのは自分なのだろうと、ミハエルは密かに自負しているのだ。

そもそもは、ミハエルがアルトの担当するニュース番組のカメラマンを勤めたことだった。
アナウンサー離れしてフォトジェニックなアルトの姿に、ミハエルのカメラマン魂が刺激されたのか。
気がつけば、ミハエルは異様な熱意でアルトを映していたのだ。
不自然なアップ、舐めるようなカメラワーク。
どの角度から撮っても完璧なアルトだが、それでも最高にカメラ写りのいい角度というのはあるものだ。
その角度、やや上方、右寄りから迫るカメラワークは、いつしか番組の名物ともなった。
ついたあだ名が、『斜め45°の美貌』だ。
そしてその名が広まるとともに、アルトの美貌も世間に広まったのだ。
とはいえ、仮にミハエルがカメラを担当していなくても、遅かれ早かれアルトは騒がれていたはずだ。
ミハエルにしてみれば当然のそれを、アルトはミハエルのせいだと思っている。
ミハエルのやけに大袈裟なカメラワークのせいでこうなったのだと、アルトは、まるで言いがかりのような難癖でミハエルに絡むのだ。
もっともそんなことさえも、我がままな恋人に骨抜き状態のミハエルにしてみれば、可愛い甘噛みのようなものだが。

「俺は嬉しいけどな。恋人がランキング入りなんて、自慢以外の何ものでもないだろ」
「女子アナのランキングだぞ、女子アナの。何が自慢だ、馬鹿にされてるだけだ」
「そうむくれるなって、ちゃんと男性アナランキングにも入ってるじゃないか。しかもダントツトップ、なあ、こっちは素直に嬉しいだろう?」
「ふ、ふん・・・それは、まあ・・・」

むず痒そうな顔をして、アルトはぷいとそっぽを向いた。
テレビでは常に冷静な、クールビューティとさえ称されるアルトの素顔は、今時珍しいほどの恥ずかしがりなのだ。
ほんのりと頬を染めた、こんなアルトの顔は自分しか知らないだろう。
そう思うことは、ミハエルの男心を非常に満足させるものだった。

「何事も、好感度は大事だぜ。及ばずながら、俺もその役に立ってると思うんだけど」
「んだよ、ミシェル。何が言いたいんだ?」

ようやく目線を戻したアルトを見つめ、ミハエルはにこりと微笑んだ。
なにしろ、ミハエルは上機嫌なのだ。
なんと言ったって、世間が認める美貌の恋人が、リラックスした部屋着姿で、照れた顔をして自分の隣に座っているのだ。
風呂上がりの髪も体もいい匂いをプンプンさせて、食べてくれと言わんばかり。
おまけに明日は日曜日、平日はレギュラー番組を持つためになかなか時間のないお姫様を、唯一ミハエルが独り占めに出来る週末の夜なのだ。
これでいい雰囲気にならなきゃ嘘だろうと、ミハエルはアルトをゆっくりと押し倒す。

「ご褒美がほしいな、ってこと。姫を一番きれいに写せるのは俺だからな。なんなら、姫専属のカメラマンを名乗りたいくらいだぜ」
「図に乗るなよ、ミシェル。だいたいお前のせいで変なあだ名が・・・って、おい、どこ触っ・・・!」

口先だけの抵抗は、アルトなりのOKの合図だ。
なんだかんだ言ったところで、2人は立派なバカップルなのだから。

「・・・跡はつけんなよ。見つかったら面倒なんだからな」
「了解、了解。見つからないところならいいんだな?」
「・・・・・・絶対だぞ、馬鹿ミハ」

すっかりお互いしか見えていないバカップルを、止める者などいるわけがない。
こうして今をときめく早乙女アナは、久しぶりの休日を、ベッドの中で過ごすことになってしまうのだった。


**********


「グレイス、見てよ!アルトに勝ったわ!」

一方ギャラクシーTVでは、見事『女子アナランキング一位』に輝いたシェリル・ノームの勝利の声が鳴り響いていた。

「ついに勝ったわよ、ついに!アルトの奴、今ごろ悔しがってるでしょうね。私に勝とうなんて百万年早いのよって、今度会ったら言ってやるわ。ああ、いい気味!」

高らかに笑うシェリルを前に、グレイスはにこにこと穏やかに微笑んでいる。
グレイスにとってシェリルは、可愛い後輩アナというだけではない。
生物学者として多忙な彼女の母親に代わり、隣に住むグレイスが身内のように世話をやいてやった関係なのだ。
グレイスを姉のように慕って育ったシェリルは、長じた後もグレイスの後を追ってアナウンサーとなり、こうして見事ギャラクシーTV局の看板アナとなってみせた。
同性でさえも憧れるその麗しい美貌とスタイルをもちながら、グレイスにだけは無邪気に懐く。
そんなシェリルはグレイスにとって今もなお可愛い妹分であり、ギャラクシーTVアナウンス室内では『鬼の室長』とさえ呼ばれる彼女の、唯一の例外なのだったが。

「ふっふっふ、ざまあみろだわ。ようやく身の程を思い知ったかしらね、アルトの奴」
「そうね、身の程は大事よね。アルト君、男の子だものね」

優しく微笑みながらの厳しい突っ込みは、グレイスの代名詞だ。
それはシェリルに対しても例外ではなく、当の『ナンバーワン女子アナ』は、バツが悪そうにグレイスを振り返った。

「・・・何よ、グレイス。何か言いたいことでもあるの」
「いいえ、別に。そんなに大学の時の恨みを引きずっていたなんてって、ちょっと感心していただけよ」
「ふん、そりゃそうよ。だってあいつったら、こともあろうに私と同率一位なんて」

そうなのだ。
去る数年前の美星学園大学、その学祭で行われたミスコンで、他ならぬアルトとシェリルとは、見事投票同数でのミス・キャンパスを獲得してしまったのだ。
まず間違いなく自分こそがミスキャンパスに違いないと自負していたシェリルにとって、それは青天の霹靂以外の何ものでもなかった。
自分ひとりに当たるはずだったスポットライトが、いきなり2分の1になったのだ。
これがどうして、腹を立てずにいられるものか。

「ふっふ、ともかくこれで雪辱は晴らしたわ。今度アルトに会ったら、うんと笑ってやろうっと。きっと悔しがるでしょうねえ」

果たして、アルトが悔しがっているのかどうか。
それは非常に疑問の残るところだったが、グレイスはそれ以上は突っ込まないことにした。
外野がとやかく言うこともなく、シェリルとアルトとは学生時代からの腐れ縁、いい仲間なのだ。
幸か不幸か、そこに色っぽい男女の展開が生じることはなさそうだが・・・あの金髪眼鏡が、いる限り。

「まあ、いいわ。ライバルがいたほうが、シェリルのためにもなることだし」

何かと比べられがちな大手TV局、フロンティアTVとギャラクシーTV。
その顔とも言うべき人気アナウンサー、ただし紛れもない女子アナと男性アナの2人、シェリルとアルト。
その2人をライバルと言い張るのはなんだかおかしな気もするが、事実、ライバルなのだから仕方がない。
なんだか楽しい気分になって、グレイスは小さく微笑んだ。

「もちろん負けるのは許さないわ。シェリル、次も必ず一位を穫るのよ。アルト君に負けないようにね」

当然よと不敵に笑う妹分に、グレイスは満足そうに目を細める。
『憧れの美髪ランキング』で今度はアルトが首位となり、シェリルが大いに腹を立てることになるのは、もうしばらく先のことなのだった。


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