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2013/01/01 (Tue) ガチンコ☆ヒメハジメ

あけましておめでとうございます。
ご覧の皆さま、本年もよろしくお付き合いの程お願いいたします。

さてさてコメ返信もしたいところなのですが、取り急ぎお正月ネタを元日中にUPしたいと思います!
タイトルからしてアホっぽいですがアホな話です。
少しでも笑っていただければいいなーと思いながら書きました。
そして書いている間、自分はとても楽しかったです。

ではでは、今年一発目のミハアルは続きからどうぞー!




アルトとミハエルの関係は、SMSでは周知の事実だ。
ケンカばかりしていた2人の空気が変わったことは、わざわざ言いふらすまでもなかった。
そしてそうと気付いた隊員たちが、それに触れずにいてくれるほど、SMSはお優しくはないもので。

「おいミシェル、あまり姫さんを泣かせるなよ。あの細腰は、ちょっと無理したらすぐ壊れるぞ」
「平気だろ、毎晩お姫様扱いでご奉仕して差し上げてるんだろうさ。なあミシェル?」

ゲラゲラと笑いながら、顔馴染みの古株たちが通り過ぎる。
からかわれたミハエルは苦笑いとも余裕の笑みともつかない愛想笑いを返し、何も言わぬまま会釈した。
アルトとの仲をからかわれるのは、嫌ではないが気恥ずかしい。
だが確かに嬉しい気もするのは、ミハエルが未だに信じられないでいるからかもしれない。
あの初恋のアルト姫と自分とが間違いなく恋仲だと思うことは、ミハエルにはまだ夢のような出来事なのだ。
「お前もついに年貢の納め時だな」
と、ミハエルの過去の悪行を知る仲間たちにはこれまでも散々からかわれたものだ。
毎晩毎晩、好みの美女とベッドイン・・・それも一人の相手とは長く関係しない、あくまで遊びと割り切れる相手とのみ・・・という、年齢に似つかわしくない遊び方をするミハエルが、とうとうあのお転婆なお姫様に降参したらしいとは、SMSの連中にとってはいい笑いの種なのだ。
もちろんそれは、ミハエルがアルトを遊び相手に出来るわけがないという確信があってのことだ。
いつも飄々として誰一人にも執着しないミハエル・ブランにとって、早乙女アルトという人間がどれほど特別なのか、SMSの人間には分かりすぎるほどによく分かっていることだった。

しかし、そんな彼らも未だ知らないことがある。

他ならぬ、それは。


**********


2人きりの部屋に、小さな水音だけが響く。
大晦日の今夜、ボビー主催のカウントダウンパーティーから早々に抜け出したアルトとミハエルとは、ようやく2人きりの時間を満喫していた。

「・・・っン、ミシェ・・・」

唇を離し、アルトは呆けたように呟いた。
散々吸われた唇は赤く、なおもミハエルを惹きつける。
駄目押しのように再び唇を重ねあわせ、アルトの口の端から零れた唾液を舐めとった。
しつこく絡めた互いの舌から溢れたそれは、どちらのものとも分からない。
熱っぽい吐息を漏らすアルトの瞳は、とろけたように濡れている。
だがそれは己も同じことだろうと、ミハエルは密かに自嘲した。

「・・・何笑ってんだ、ミシェル」
「別に。幸せだなあと思ってさ」
「フウン・・・気障な奴・・・」

額を触れ合うほどの距離で囁きあって、2人は抱き合ったままベッドに腰を下ろした。
二段ベッドの下、普段アルトが寝ているマットレスがギシリと鈍い音をたてる。
そしてそのまま、ミハエルはアルトを押し倒そう―・・・と、したのだったが。

ドスッ。

低く、短い音がした。
と同時に、ミハエルが前のめりに腹を抱える。
・・・他ならぬアルトが、ミハエルの腹を蹴り上げたのだ。

「誰が抱かれていいと言った。雰囲気で流そうったって、そうはいかねえぞ」
「くっ・・・往生際が悪いぞ、姫。誰がどう見たってお前が女役だろうが」
「んだと?お前だって男相手は初めてだろう、それなら条件は同じじゃないか。俺が女役に甘んじる謂われはない」

吐き捨てて、アルトはじろりとミハエルを睨みつけた。
その鋭い眼差しに、先ほどまでのとろけるような甘さはない。
ただその瞳に宿るのは、燃えるような気迫のオーラだ。

「・・・世の中には適材適所ってものがあるだろう。絵的にも、姫が抱かれる方が似合うし綺麗だし」
「誰が見るわけでなし、似合うもクソもあるか。お前の感覚で決め付けんな!」
「くっそ、本っ当に往生際の悪い・・・!」

そう。
もはや周知の仲となったアルトとミハエルの、なおも知られざる事実。
それは他でもない『未だ清い仲』という、これまでのミハエルを知る者ならば耳を疑う・・ついでに腹を抱えて笑うだろう事実なのだった。


「いい加減諦めろ、俺に任せれば絶対気持ちいいから!」

言いながら、ミハエルはアルトを押さえつける。
伊達にゼントラの血が流れているわけではない、純粋な体力勝負ならミハエルに相当の分があるのだ。
だが、そんなことで勝負がつくのなら問題はこうまでこじれはしない。

「自慢のつもりか、この女好き!男相手に同じ手が通じるかよ!」

ゴスッと、アルトの膝が再びミハエルの腹に命中した。
いくらミハエルの想いを受け入れたとはいえ、アルトは男、立派な男だ。
当然のように女役を求められて、ハイソウデスカとそう簡単に頷けるものではない。
ミハエルの腕力に押し流されるのを、アルトは必死の足技で抵抗する。
直撃をくらったミハエルは、勢いのままにベッドから床へと転げ落ちた。

「いってえ、モロに入ったぞ!ちょっとは加減しろよ、姫!」
「うるせえ!お前が妙な真似するからだろうが!」
「だから姫が下になれば円満解決だろう!?」
「なんでそう決め付ける!?俺はお前のそういうところが気にくわねえんだよ!」

どすんばたんと、男2人の取っ組み合いに、もはや色気のカケラもない。
常ならばミハエルに後れをとるアルトが、何故この状況下においてのみ互角に戦いうるのか。
それは言うまでもなく、

「卑怯だぞ、姫!俺が姫に手ェ挙げられないって分かって!」
「なんだと、お前どこまで俺を女扱いする気だ!?」

アルト相手に拳を出せるわけがないミハエルと、ミハエル相手に大いに本気を出せるアルト。
そんな2人が取っ組み合えば、勝負は互角に決まっているのだ。
ほとんど毎晩のように取っ組み合って、決着はいつも痛み分け。
ある意味確かに体と体がぶつかりあっているには違いない夜の一騎打ちは、しかし音だけはなかなか立派なもので。


**********


「なんだミシェル、元旦から疲れた顔しやがって!」

どんと背中を叩かれて、ミハエルはくるりと振り返る。
元旦の朝っぱら、目覚めたばかりらしいミハエルの顔は、少しばかり腫れぼったい。
そんなミハエルの前方では、これまた眠そうな顔のアルトが品のいい欠伸をしながら歩いていた。

「2人して、ずいぶん眠そうじゃないか。昨日はあれから一晩中か?くそったれ、羨ましい奴め」

耳元で低く囁かれ、おまけに頭を小突かれる。
全く理不尽な当てずっぽうだが、ミハエルは何も言わずにされるがままだ。
言えない、言えるわけがない。

『実は俺たちまだ清い仲なんです』

なんて、空とベッドの撃墜王が、こっ恥ずかしいにも程がある。

「ったく、2人してだるそうにしやがって・・・しかし夕べもお前ら激しかったな、物音が廊下まで聞こえてたぞ」
「ああ・・・そうですか」
「ソウデスカじゃねえよ、全く。独り身の俺の身にもなってみろっつうんだ」

言われて、ミハエルは再びはたかれた。
理不尽だ。
ひどく理不尽だが、言えはしない。

『実はその物音は、ガチで取っ組み合ってた最中のただの物音です』

だなんて、仮に言っても信じてはもらえないだろう。
もはやそれほどに、ミハエルとアルトとはすっかり公認の仲なのであって。

「しっかし、お前が夢中になるくらいだ。姫さん、あんな顔して相当イイんだろうな。清楚な顔して床上手ってか?たまんねえな。なあおい、今度じっくり聞かせてくれよ、さぞすごいことしてんだろ?おまけに夕べのはヒメハジメってヤツだろ、いつもより盛り上がったんだろう。いったい何回ヤったんだよ、お前ら。若いっていいよな、3回や4回じゃ治まんねえだろ?姫さんもあんな小せえ尻で、よくお前のが入るよな。ちょっとひどくすりゃ壊れちまいそうな腰のくせに、毎晩激しいプレイしてんのか・・・ああ、エロすぎる。あんなエロい体を毎晩アンアン言わせてんだろ、お前。くそったれが、羨ましすぎるぜ、ミシェル」

そんなことを言われても、ミハエルは何も言い返せない。
果たしてミハエルがアルトをアンアン言わせる日が来るのか、どうか・・・今はまだ、見通しは暗いとしか言いようがなかった。
仮にも想いは通じ合っているはずなだけに、その道のりはひどく長く思われる。
結局一晩中プロレスごっこに興じたミハエルはただひたすら、曖昧な笑みを浮かべて誤魔化すだけで。

「なんだその顔、余裕の笑いか?腹立つなお前、この色ボケ野郎!」

三度頭を小突かれて、ミハエルはただ、

「・・・理不尽だっ!」

とぼやくことしか出来ない、新たな年の朝なのだった。

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